指数関数について

僕が複素関数論を勉強していた頃によく理解できなかった周期性と対数関数の正則性について,及びその周辺をなるべく網羅的に,載せておきます.動機は,複素関数論のTAをしていて、僕の他にも同じトピックで苦労している方が案外多いのではないかと思ったからです.

 \mathbf{R}上の指数関数と三角関数は既知として

 z \longmapsto e^{\Re{z}} \cdot (\cos{\Im{z}} + i \cdot \sin{\Im{z}})

なる関係により指数関数を定める流儀もあるそうですが,僕のノートでは何の初等関数もない世界に

z \longmapsto {\displaystyle\sum_{n=0}^\infty \frac{1}{n!} \cdot z^n}

なる関係で指数関数を定めます.

気になったらお読みください.講義等の理解の補助として役に立てるならば幸いと思います.指数関数についての内容はRudinのReal and Complex Analysis (prologue)を,対数の主値の正則性についてはAhlforsのComplex Analysis (chap3. 2.2)を,Cauchy-Riemann方程式については磯祐介複素関数論入門を参考にしています.このノートが読みづらい場合はこれらの本でも参照してください.

たまに更新するつもりです.

もし間違いを見つけられたらコメントで優しく教えて下さるとうれしいです.