複素積分について
複素線積分は与えられた曲線(の区間上で定義された複素数値関数)に依存した積分ですから,の右下に付ける記号は積分範囲ではなくて曲線であることが多いです.
例えば,を曲線とするとき
のように.
講義を聞いていて思ったのですが,例えば
という書き方について,と書いたら
なる写像を用いて積分すると明示的に約束すれば問題ありませんが,説明の仕方を間違えると恣意的にパスを考えて良いと誤解される恐れがある気がします.
ところで複素積分は積分論的に定義することもできますね.いまとを
を満たす実数とし,を
なる右連続有界変動関数とし,をの値域を含むの開集合とし,を上で定義された複素数値連続写像とします.
このときにより上の複素数値Stieltjes測度が作られるので,それを
とします.そしてのに関する複素線積分を
により定めます.がパスであるか,或いは絶対連続であれば
が成り立ちますね.ただしは一次元Lebesgue測度をに制限したものです.
「お前はここを間違えている」などと思われたらコメントで指摘して下さると嬉しいです.